『母ちゃん ごめんなさい…。母ちゃん うちが あの時 最後に逢った時に 気づいてたら こんなことにならんかった』

『美奈子ちゃん 何 いうてるん。誰にも止められんかった。あの子の寿命やってん。あの子の運命やってん。』

母ちゃんは 涙を堪えて
うちに言った。

父ちゃんも 同じ事を言った。

『美奈子ちゃん 最後に逢った時 あの子 何ていうてたん?あの子 ここ何ヵ月必要意外は喋らなくなっててん』

うちは 笑顔でいうた 言葉を 伝えた。

『そっかぁ。それが 最後のあの子の言葉やねんね。あの子らしいな。』


『母ちゃん うちが あの人の優しさから精一杯の芝居で 笑顔作って 心配させんよに いうたんやって 見抜いてたら こんな 死に方 せんでよかったんや・・・。』

ひとりで寂しく 雑木林が茂ってる あんな場所で車の中で排ガスひいて 死ぬことはなかった・・・
あの時 電話に出れなかった 逢いたい言われて 素っ気なくあしらって
真 止めてほしかってんよね・・・・

命に限りがあるってわかってて でも 受けとめるにはひとりじゃ 辛すぎたんよね・・・・

『美奈子ちゃん 真の顔
見たって』


冷たくなった 真が寝ていた。