MEMORIAL ADRESS

「やり直す…??」

「荒れて生きていても何もない。そこにあるのは暴力と暴走、金と喧騒だけ。沙羅ちゃんは…やり直せる目をしてる。今日、今さっき出会ったばかりだけど私には分かるよ。沙羅ちゃん自身、もう嫌なんじゃないの??そんな…荒れた生活」

「…。」

「そんな荒れた生活が嫌で苦しくて、逃れたい、抜け出したいって思ってるから…今日ここへ来てくれたんでしょう???」



寒気すら感じた。

見事に見抜かれていた。

沙羅の本音を、たった何分かで日向子は見抜いて言葉にした。



「どうして…どうして分かりましたか???」

「何百人ものアウトローを見てきたから。やり直せる子とやり直せない子…その気があるかないかも、私分かるようになってしまったのよ」



日向子は笑った。



「日向子さんから見て…あたしはやり直せる人間だって事ですか」

「やり直す気が少しない気がするけどね」



お見通しだ。何もかも…

体が震えるのを必死に抑え込む。



「沙羅ちゃんがやり直せるキッカケを、もし私たちが作れたなら…それなら幸せだけどね」



沙羅はそれ以上声が出なかった。