「どう?この花、可愛く加工されてあってラメでキラキラなの」




棚に置いて全体の花の見た目を整えて行きながら楽しそうに俺に話し掛けるレイコさん。




さっき花を見せてもらった時、キラキラしていてそういう種類の花なのかと思っていた。



加工だったのか。


「凄いですね」


「でしょ?あ、果物あるじゃない。リンゴでも向く?」


整え終えて満足気に微笑んだレイコさん。



リンゴ……。


日が当たらない棚に袋に入れて置いてある果物。


そういえば、兄貴が家にあった果物を適当に持って来たと言っていたな。



「じゃあ、蜜柑食べます」


ナイフを用意していたレイコさんに言う。



上司であるレイコさんにいろいろやってもらうのは申し訳ない。


手でも切ったら大変な事に……。

林檎に手を伸ばそうとしたレイコを見て、慌てて俺は蜜柑を手に取った。



「そう?あ、私も貰っていい?」

「どうぞどうぞ」


レイコさんに蜜柑を渡す。


蜜柑なら自分で簡単に皮向けるから便利だし。


皮を剥いて口へと運ぶと、甘酸っぱい味が口内に広がる。


……美味しい。


次々と食べていく俺の横で、綺麗に蜜柑の皮を剥いていくレイコさん。