「そっか。待ってます」


冷たい手を帰ったらきちんと暖めるようにいって、ベットの上から見送った。


『また来て』


そう言ってもいいのか?


昔の俺だったら、平気で言ってた?


「……何で」


静かな部屋で、呟く。


楽しい事が終わってしまったかのように、空虚感に襲われる。



「何でこんなことに……」



彼女は自分の事、知っているはずの昔の俺の事を話さない。


思い出したい。


どう接していたのか、思い出せたら楽なのに。


もう少し打ち解けれたら良いのに。


今日も去り際に見た、一瞬の彼女の寂し気な表情。

彼女はあの一瞬、何を思っているのだろうか。


また、今日も何も思い出してくれなかった。


そんな落胆があんな表情をさせてしまっているのでは?


俺のせいで……。



……俺の記憶は、どこに?