毎日お見舞いに行って気に掛けてくれるなら、私も毎日行ったのに。




……レイコさんと張り合うつもりはないけれど。




知ってた。




レイコさんが毎日来てる事なんて。




毎日、綺麗なお花が飾られていて。





まだ咲いているのに、一部だけ枯れた花は捨てられていて。





きっと、毎日お見舞いに来てくれる人がいるんだろうなって。




「……思い出せたら困らなくていいのに」




頭をガシガシ掻く涙。




その様子が可哀想で、どうにかしてあげたくなる。




「思い出さなくてもいいよ。昔に囚われなくて、今涙がしたいことをすればいい」




そんなに気にすることじゃないから。




ごめんね?何かあれば思い出して、なんて言って。



言わなくても、涙は必死に思い出そうとしてくれていたのに。



無理させて、ごめんね?


でも、もう良いから。



今涙が思うことをして、幸せになればいい。




それがレイコさんとだったら、それはそれでいいから……。