……そのまま歩くこと10分。



あたしは、今日もこの場所を訪れていた。





コンコン




ドアを軽くノックすると、中から聞こえた返事。




それを聞いただけで、嬉しくなる。




「失礼しまーす……」




ゆっくりとドアを開けて中を覗くと、



個室の為、一個しか置いていない白いベットの上に上半身だけ起こしてこっちを見つめる……涙(ルイ)。




「こんばんは、本城さん」




私を確認すると笑顔で挨拶をしてくれる涙。




「こんばんは。遅くなってすみません」




「今日はもう、来てくれないのかと思った」