「はいはい、頑張ってたのねー」

「ちょ、信じてないだろ?本当にやってたんだから……」




もう止めるのか、ソリティアをしていたウィンドウを閉じて、ノートを取り出した涙。




「もうすぐクリスマスだよね……」




涙は何気なく言ったみたいだけど、同じフレーズを前に涙から聞いたことがあった私は、ドキっとする。




「そうだね……」



「俺さ、クリスマス前に退院して良いって言われたんだけど、この日大事な予定があったのかな?見て」




そう言いながら涙は、見ていたノートを私にも見えるように見せてくれる。




スケジュール帳では納まりきれない程、仕事の予定があった涙は、このノートにスケジュールを書いていたらしい。




家で見たことは無かったから、多分会社関係のスケジュール帳みたい。




書かれてある内容も、社内会議の予定とか、締切とかで……。



社内で活用していた事が分かる。




「ここ」



指差された場所を見ると……




25日のクリスマス。



25と書かれた数字は、赤いペンで囲まれていて。




その下の予定を書くところに、ポツンと“19時待ち合わせ”と書かれていた。





「これも仕事だったのかな?誰と待ち合わせだったんだろ……」