自転車を押しながら付いてくる涙。

『いいって』

『乗らなくても俺は送るから』


『いいって!彼女でもないし、城戸くんにそこまでさせちゃ悪いし!!』


そこまで言って涙を見ると、涙は立ち止まって私の顔をじっと見てて。


半ばキレてるみたいな言い方をしちゃった私はすぐに後悔して『ごめん……』と謝った。



そしたら、涙が言ったんだ。


『……じゃあ、俺の彼女になってくれませんか?』って。


ビックリして目を見開いて涙を見た私に、涙はにっこり笑って『送ってっても良いよね』って聞いてきた。



思っても見なかった涙からの言葉。


私は、涙に告白されて、嬉しくて。

でも、信じられなくてその場にただ立ってたら、『早く乗りなよ』って手引っ張られて乗せられて。


『彼女……なっていいの?』

信じられなかったあたしは、自転車をこぐ涙の背中に問い掛けた。


『うん。なって欲しい。なってくれる?』



逆に聞き返されて、私は返事をする変わりに、涙の制服をギュって握ったんだ――――――――――