見上げたイルミネーションはすごく綺麗だ。 光り輝くそれに、目を細めれば…… 「忘れても良いよ?」 「え?」 下から聞こえた、波音の声。 忘れても、いい……? 波音の言葉に、波音を見つめると、まだ涙が残る笑顔で俺を見つめていて。 「何度でも、思い出させてあげるから!」 そう言って、俺の服を握る。 「……もう忘れないけどな」 もう、こんなことで波音を泣かせたりしないから。 だから、心配しないで。