日を開けずに本城さんに会える。


ただそれだけの事なのに、俺はバカみたいに早く目が覚めた。



小学生かよ……、と思いつつ天井を見つめる。



本城さんと話す時間がいつも短いからか、それとも本城さんが話さないからかあまり俺の過去について話したりはしない。


俺が聞いた時に少し話してくれるくらい。



今日は俺が無理言って頼んだから朝から来てくれる。



長い時間、一緒にいれるからまた、新しい事を知れるだろう。



高校の同級生……


高校時代、俺は彼女とどんな話をして過ごしていたのだろうか。



どんな行事を、どんな生活を送っていたのだろうか。



……思い出せない。



何て高校に行っていたのか、制服はどんなデザインだったのか、部活に入っていたか……。



高校なんて、昔の俺はそこに行くために勉強してたはずなのに。



忘れるなんて。



人間は、何て儚いんだろう。


そんな、俺の中で忘れ去られた記憶の話を。


彼女の口から……聞いてみたい。