華の恋



「やだねっ。はよ席座れ」



イスからむりやり華恋を立たせて
しっしと手で追い払うみなと。



むっかぁぁぁぁ~~~。



「おいこら真山」



立ったまま席に座るみなとを睨んでると
いつのまにか教室に入ってきてた
先生の声。



「池本向かっていかくするなっ。
猫かお前は。はやく座りなさい」



しれっと言う先生をちらっと見る。



仕方なくイスを手で軽くはらい座った。



斜め前の席のみなとは振り向いて
あっかんべーをしてる。



ほっんとにむかつくっ!!!



お返しにあっかんべーをして
みなとから顔を背けた。



…それにしても…また聞けなかった。



隣の席の勝ちゃんを見る。



でも…何でなんだろう…。



みんなや佳枝ちゃんが
言ってたみたいに…。



本当に華恋のこと…?



でも…勝ちゃんはいつも
兄弟にみたいに仲良くて…。



今までそんな風に見たことも
意識したことも無かった。