「好きなんじゃないの?」
いきなり聞こえた声。
後ろに座り込んでた佳枝ちゃん。
「自分の部屋に好きな女が寝てたら
キスしたくもなるでしょ?」
そう言いながら立ち上がり、
こっちに歩いてくる。
「こんな勝だけど、健康な男の子
なんだからさぁ?」
にやにやしながらそう言う佳枝ちゃん。
「ねぇ、どうなの?好きなの?
華恋のこと」
肩を組んで体をゆすりながら
勝ちゃんに尋ねる。
「正直に言っちゃいなよ~」
佳枝ちゃんがそう言うと
目を閉じてた勝ちゃんが目を開いた。
それに反応しみんながさっきより
近くによって勝ちゃんを覗き込み
見つめる。
…勝ちゃん。
華恋もみんなと同じように
勝ちゃんを見つめる。
けど勝ちゃんは手ごわい。
また昨日みたいに口元をゆるめて笑い
大きなあくびをして再び
うつぶせて寝てしまった。
「…昨日と同じだ…」



