華の恋



ひらめいたように言ったみなとより先に
口を開いたのは勝ちゃん。



そう言うとゆっくり体を起こした。



「…性格…バカ?」



目を閉じてまだ眠そうな勝ちゃんに
首をひねりながら聞いた。



「あっ、そんな感じ?」



笑うみなと。



性格バカ?…もっと意味不明っ。



「勝いつ起きたのよ」



「…うるさいから…目…覚めた」



まだ眠いのか目をつぶったまま
しゃべってる。



「ってか…性格バカって。
勝の口からそんな言葉が出てくるとは
思わなかった」



「やっぱ幼なじみだね。
華恋のことよく分かってるわ。
もうなんか幼なじみ通り越して親だよね、
あんた」



「ってか親でしょ。
両親忙しい華恋の親やってきた
感じじゃない?勝って」



「昨日華恋フラれたんでしょ?
恋多き華恋。失恋多き華恋が惨めに思えて
ノリでキスしちゃったんじゃないの?」



えっ、そうなの?



「勝にノリという言葉があるとは
思えんが…」



「それもそっか…じゃあやっぱり…」