華の恋



余計なことを考えないで…華恋みたいに
ひたすらに想えばいい。



心のどこかで決心をした。



「…華恋…」



泣きじゃくる華恋に触れようとした瞬間、



「ごめんなさい…」



……え?



「勝ちゃんに…軽い…女だって…
思わせちゃって…。
華恋がいけなかったの…華恋が…」



何…言って…。



「つきまとって…嫌な思いさせちゃって
ごめんなさい…もうしません…
もうしませんから…」



そう言ってかばんを手に取り
俺にお辞儀をした華恋は
ドアへ向かった。



「行くなっっ!!」



気付いた時には…華恋を抱きしめてた。



「…あのっ…しょ…ちゃ…」



「…行くなよ」



強く華恋を抱きしめる。



「やっ…ダメ…」



「…俺の気持ち…聞かないで…行くな…」



「え…」