「君…華恋ちゃん?」



ざわざわと騒がしい放課後の下駄箱で
帰っていく友達を見送っていた華恋は
目の前に現れた男の人を見上げた。



「?…そうですけど」



首をひねりながら答えた瞬間
じわじわと華恋よりも背の高い下駄箱に
追い詰めながら、



「やっぱり!…噂どおり可愛いね。
どう?俺と付き合わない?」



と、言いながら両手でスクバを持っていた
華恋の片手を握ってきた。



「すいません。華恋、彼氏いるので」



笑顔で答え、すぐに手を振り払った。



「そうなの?じゃあ浮気でもしちゃう?」



そう言いながら顔を近づけてきた。



「ちょっ…やめ」



「おい」



近づいてきてた顔は止まり、
華恋も男の人も声がする方を向いた。



「勝ちゃん!!」



満面の笑顔で叫んだ。



その人は華恋と男の人をじーっと見てる。



「お前が華恋ちゃんの彼氏?」



「…」