精神鎮痛剤


高校に入学して忙しそうだった春チャン。逢うのも本当久しぶり。逢えなかった時間を埋める様に春チャンに甘えて(普通に膝枕とか。春チャンも慣れちゃってる。)…俺にとってちょー幸せな時間なのに。



「…クロ、携帯鳴ってない?」

「えー?俺には聞こえなァーい。」



…うん、誤魔化せないよねぇ。春チャンから凄く睨まれてるんですが。…溜息吐いてもいいよねー?



「…もしもー、」

『~…てッめ、クロ!何してんだァ!?イチのストッパーのてめぇが来ねぇでどうすんだ、馬鹿がッ!』



あァ、春チャンと居る時に思い出した俺が悪いのか。

通話ボタンを押した途端、聞こえる不快な怒鳴り声に溜息が零れた。



「…クロ、まだ喧嘩ばっかりやってるの?」



携帯電話を耳元から離して眉間に皺を寄せていると。春チャンから咎める様な言葉とその表情に、苦笑いが浮かぶ。



…だって俺は、喧嘩とセックスをする事でしか自分の存在を見出だせない。