「そんなに自信あるの?」


「ある」


意外そうな表情を浮かべる美咲に断言する。



俺には絶対に美咲を好きにならないという自信があった。 


俺には……未来がいるから。 


元カレとの一件で心に深い傷を追った未来。 


俺が守りたいのは未来だけで。


自分のものにしたい女も未来だけで。


俺は未来さえ隣にいてくれればいいんだ。


他の女を構っている余裕はない。


「そういうことだから。もう俺に関わってくんな」


口をへの字にしている美咲の横を通り過ぎて事務所の扉に手を掛けた瞬間、 


「……あたしどんなことしてでも、絶対に隼人を振り向かせてみせるから!!」


背中にぶつかる美咲の甲高い声。 


「めんどくせぇ女」


俺は振り返ることなく事務所を後にした。