焦りを隠せずいる俺は、うさんくさく誤魔化し加減で、すかさず会話を繋いでみた。



「あのさ、なんでいきなりあたしん家泊まろうと思ったん?」



「んっ?ちょっと相談に乗ってもらいたいって言うか、聞いてもらいたい話があると言うか。まっそんな感じ」



「話?」



「そっ、話し」



「ふうぅん」



話しなんて学校でだって出来るだろうに、あえて泊まってまでしたいなんて、よっぽど重要で極秘な内容なのだろう。



ここでヘタに口を挟み、探りをいれたら真由を家にお持ち帰り出来なくなる確立はグンと上がる。



そいつだけは絶対避けたい。



自らこんなおいしいチャンスを逃してたまるものか。



「まずは家でまったりしてから語ろうぜ。何でも聞いてやるからさ」



「マジ!?本当に!?」



「おう、まかせろ!!」



俺の一声で笑顔になった真由は、手持無沙汰にブラブラ遊んでいた俺の右手を奪い取り、かろやかに指を絡ませてきた。



「聖、超好き!」



「はっ!!?」



「超好き!!」



泊まりや絡みつく指だけでも奇跡なのに「好き」って言葉が唐突に俺の元に降りそそぐ。



じつはいないと思い込んでた神様って奴。



もしや、いたりすんのか?



いや、絶対女に恵まれない奴に神は同情したのか?



いろんな葛藤が、俺の中をアホみたいに駆け巡った。



が、最終的に本気でこの時思った事があったんだ。



それはただ一つ。



「もう死んでもいいや。頼む。神様、俺を殺してくれ」と…