そして、そんな思いをいだいたまま約2ヶ月の時は過ぎ去った。



2ヶ月も時を刻んだわりに、相変わらず代わり映えのない真由との関係はズルズル継続中だった。



そんな中、俺の煮えたぎる思いは一方的に増すばかりで、自分をもてあまし、どうしようもこうしようも手がつけられなかった。



まぁ、真由との関係にしいて変化があったとすれば、三人の家を出入りするくらいで…



俺の気持ちを知らない留美は、否応なしに毎日真由にベダベタ抱きつきやがるし、真由は真由で移動教室の時、留美と腕を組んで歩いてやがる。



周りからすれば、女同士がする一見なんのへんてつもない仲良き姿。



が、俺にとってそれはとてもとても重大な事だったりする。



ーーあぁあマジでムカつく。ったく留美の野郎…いい加減真由から離れろ



留美がいくら気心のしれた友達だったとはいえ、真由に密着されるのは耐えられはしない。



俺は人との付き合いがうまくないから、会話は出来ても留美みたいにボディタッチなんてもっての他で…



触れたいのに触れられないなんて、生殺しもいいとこだ。



何度こんな事を思ったか数えきれないし、自分でもわからない。



これを俗に「自分勝手な独りよがり」と言うんだろう。



そんな空回りな複雑な思いを過ごしたある日。



幸運の女神がやっと俺に微笑みかけ、俺の元に降りて来てくれたんだ。



ありえない出来事。



それは…



真由が



自らの口で



俺の家に泊まりたいと言い出してきたんだ…