「はいっ!ここまで!」


秋兄がぴょんと振り返った

目が合った


「…え?」

「よく頑張ったな!やっとみんなと同じステップまできたぞ!」


秋兄が顔をくしゃくしゃにして笑った


「ほ、本当!?」

「ああ。また月曜日から新しいとこ教えるからな!」


そう言って秋兄は汗で濡れた私の髪に触れた


体が熱いんだか顔が熱いんだかわからなくなる


ポカポカしちゃう…


「よく頑張ったな!ほらっ!行くぞ!」

「え?ほ、本当にいいの?」

「何を今さら…愛梨は嫌か?」


そ、そんなわけないよ!!

秋兄と2人で出かけるなんて…


「嫌じゃ…ない」

「じゃ、着替えたら出てこいよ?外で待ってるから」



秋兄は今日1番の極上スマイルを向け、スタジオを出て行った



私…しばらく動けなかったんだからね!