「んじゃ、このレッスンが終わったら愛梨が行きたいとこ連れてってやるよ」


ニヤッと笑った秋兄の白い歯がチカチカして見えた


…それってつまり


秋兄と2人で出かけられるってことでしょ?


そ、そういうのを世間では『デート』って言うんじゃないの?


「い、いいの?」

「ん?あー…あんま金かかんないとこならな」


秋兄はあごひげをちょっと触りながら立ち上がる


「ほら!だからあと1時間やりきれよ!」


差し出された秋兄の手をつかみ、私も立ち上がる


動いてたせいでちょっと暖かい手…


多分、私の手は汗でびちょびちょだ…