求められれば応えたくて…、もっと続きが欲しくて…、キュッと彼の首へと手を回すと。
なお一層の事、与えられる口づけに酔いしれる私は“彼中毒”かもね…?
「んん・・・っ」
触れるように穏やかに始まった口づけは、序盤から修平のペースで濃厚に速まり。
絡み合う舌先の温度で徐々に力が抜けければ、そのまま彼のデスクへと目掛けて。
大きな手で背を支えられながら、あまりに優しく私の身は沈められてしまう…。
「ふっ…、んんっ…」
仕事中だと自制心を働かせなきゃダメなのに、そんな思考さえ奪う彼の熱い舌先。
妖しい水音が静かな役員室で響き渡るごとに、私の呼吸も心拍数も上昇していく。
「しゅ…、んっ…」
だけれど、お構いナシと言わんばかりの最愛の彼の攻撃を打ち止め出来ないから。
とうとう息苦しさを覚えてチラリと薄目を開ければ、バッチリと重なった視線。
扇情的に私を捉えるブラウン色の眼差しに息を呑めば、スッと舌の絡みが解かれて。
その刹那、チュッとリップ音を立て口づけのあとで、銀糸がツーと糸を引いていく。
性急に駆り立てられた悩ましい熱の中、呼吸を求めて肩を上げて大きく息を吸えば。
「フッ…、水やり完了」
「イジ、わるっ…!」
「もちろん。さっき真帆が“さん”付けしたお仕置きだし?」
この綺麗すぎる一笑を向けられると、毎回のように口を噤んでしまう私こそ問題だ。
愛するエリート上司に勝てる日は、これからもきっと来ない気がするから…――

