離れたからこそ分かった事、気づけた事…、そんな数年間の想いを忘れていたと。
少し落ち着いてもパワフル健在な瑞穂が気づかせ、弱気まで吹っ飛ばしてくれて。
修平だけじゃなくて、大切な人たちに支えられてると改めて教えてくれた・・・
「ところで、結婚の準備は進んでんの?」
食後に出された温かいジャスミンティーを飲みながら、ようやく本題に触れた彼女。
本当の目的はコレなのに、私の態度で危うく話が頓挫するトコロだったのだ…。
「会場が名古屋だからね…、仕事もあって現地で打合せは殆ど出来ていないけど。
肝心の招待客と、大まかなモノは決まってるから大丈夫よ――
それに彼のお母さんが、担当プランナーさんと知り合いだから助かってるの」
緩やかな湯気を立てるカップに両手を添えながら、笑って問い掛けに返す私。
結婚まで2ヶ月を切り、本格的に細々とした準備にも入りたいトコロなのだけれど。
彼の多忙さに都合も合わなくて、私と彼のお母さんメインで進めている状況で。
だけれど彼との意見を合わせてから、プランナーさんには要望を伝えているし。
彼の忙しさを知る立場で通した我が儘の私は、寧ろ感謝しか出来ないの・・・
結婚の二文字を耳にする度、彼と手を繋いで互いの実家へ向かった日を思い出す…。
修平が帰国してすぐ、都内にある私の家と彼の実家の名古屋へと挨拶に向かうと。
私の家には彼の本社行きの前に、いずれ結婚すると伝えていたから喜んでくれて。
彼のご実家に向かえば“娘が出来て嬉しい!”と、すんなり受け入れて貰えたね…。
そうして立ち寄った熱田神宮で、“此処で挙げたい…”と彼にお願いしたから・・・

