いつもはクールな色をしている瞳が、今日は色々秘めた眼差しに映って悲しくて。
フルフルと頭を振って彼の首へと腕を回してしまうのは、私も欲しくて仕方ないから。
どうしようもないほど好きで、離れていた分だけ一緒にいたいと思うの…――
「私…、怖いの・・・
修平が…本社に行ったら…、どうしようッン――」
振り絞って言葉を紡いでいた刹那、封じるようにチュッと優しいリップ音が響いた。
さらに乱れた髪を撫で上げられて、ダークグレイの瞳に無言で問い掛けてしまう…。
「その話はあとにしよう?
悪い、今日は余裕が持てない――」
「ふっ、ンッ…」
珍しく性急に言葉を締めた修平によって、再びグッと押しつけられた粗暴な口づけ。
グッと捩じ込まれた舌先の巧みな動きに絆され、上昇する体温に逆らう術もなく。
「しゅっ、んっ――!」
「黙って・・・」
そう言われればもう、今はただ“この熱”に酔いしれてしまいたくなるのが人の性。
いつしか剥がされていたスーツとランジェリーも、彼を肌で感じる材料でしかなく。
ギシギシと鳴り響くベッドのスプリング音に乗せて、何も考えられなくなるから。
「真帆…――」
「んっ、あぁ…――」
夢遊状態の中で大好きな低音ボイスで囁かれると、ソレがもう止めになる…――
全身を迸る彼の熱と愛情に向けて、手を回した大きな背中に爪を立て応えていた…。

