仕事はもちろん大切だけど、こんな時に思い出せる余裕も無いの。



離れる事を想像するのも怖いくらい、修平に溺れきっているから。




たとえ彼にイヤだって言われても、二度と離れられ無いのに・・・




「ん…、ぁっ――!」


すべてを知られているせいで、彼の動きすべてに反応し続けているけど…。




ベッドのスプリング音が響き渡る中で、“この時”だから伝えたいコトがある。



宙を彷徨っている手を、キュッと絡め取ってくれた貴方に伝えたいの。




きっと、これからも幾度となく伝えてしまうフレーズを・・・





「あ、いっ…してる・・・」


だけどこの言葉を、軽々しく挨拶代わりにしていた消せない過去がある…。




でも貴方に出会って、この言葉が易々と口に出来るモノじゃないと学んで。



そして何よりも、愛する人と共に生きられる“今が”どれほど尊いかを知れて。




「俺も、だ・・・」


「しゅ、へい…」



私は絶対にこの手を離せないの…、誰よりも愛してるから・・・