エリートな貴方との軌跡



眼を合わせている彼らの表情から察するに、どうやら悪いことではないと思えるけれど。


「真帆、…もう少ししたら分かるよ」

「…は?」

「百聞は一見にしかず」

「答えになってない!」

「これから分かるよ」


腰に手を添えたままニコリと微笑する彼。そこでまた私は、腑に落ちないものが生じた。



とはいえ、修平が微笑んで閉口した時は、これ以上尋ねてもムダだとよく分かっている。



小さく溜め息を吐き出した時に、喉が乾いたと一旦私から離れて飲み物を貰いに行った。



主役らしい私たちをよそに盛り上がっていた周囲。その中へすっかり溶け込んでいる彼。



男性ウエイターから、シャンパンらしき液体の入ったグラスを2つ受け取り戻って来た。



やはりノーネクタイに衿高シャツを合わせた、パーティー・スタイルの彼は人目を引く。


「はい」

「ありがと、」


気泡の弾けるグラスを受け取った瞬間。広々した会場内が突如、大きな歓声に包まれた。



反動でグラスが傾きかけた私は両手でそれをガード。ホッと一息つけば笑われる羽目に。



此方は必死だったのに、と頬を膨らませたくもなるけれど、一先ずグラスを持ち直した。



何はともあれ。訳知り顔の彼について行くと、人だかりの中で見つけた答えに驚愕する。



「CEO!」


「おおシュウ!どうだ楽しんでいるか?」


「ええ、とても。この様な場を設けて頂き、感謝してもしきれません」


「ハハッ、大袈裟だろそれは」


にこやかに歩み寄って来た人物と言葉を交わす修平は、ただ眼を丸くする私とは大違い。



ロマンスグレーの髪色にディープ・ブルーの瞳を持つ人こそ、全社を統括するCEOだ。