NARSのシャンパンベージュ・カラーは、光の加減で肌を艶やかにみせる効果があって。
それを繊細ピグメントがキラキラなシャネルのパウダーが、品よく中和してくれるそう。
逆に言えば、ボディ・パウダーのつきを良くするベースにもあって、お互いさまだとか。
確かにボディ・パウダーのみで使うと、決まってラメが飛び散ってしまうところが難点。
「丁寧につけると、ボディも艶っぽく見えるねぇ」
そのため普段あまり利用していなかったものの、塗り終えたデコルテの輝きはお見事だ。
「あと私が好きなのはベネフィットだけど、アレは手足につけるのが好きかなぁ。
これよりラメが強めだし、ボディ乳液を合わせる方がオススメよ」
「私は今日も使ったわ」
「フフッ、ジェンの定番よね」
「そっかー。日本だと随分前に廃番なんだよ。でも私もハワイで買ったのがあるわ。
今度使う時は乳液と一緒に使ってみるね。プチ情報、ありがとう」
“どういたしまして”と言って、ドレスを直してくれたリリィはまた仕上げ作業を再開。
目元に目尻用のつけ睫毛をプラスし、チークはNARSのマルティプルの別カラーを使用。
スティックチークは敬遠していたけれど、ピンポイントに馴染ませるお手軽さを学んだ。
“ヌーディ・ベースが良いわね”と、ルースパウダーをチークの上からブラシでつける。
すると多少濃いかなと思っていたチークの色が落ち着き、上気したような肌に変わった。
最後にリップをリキッド・クレンジングで落とされると、登場したのがベネフィットだ。
べネティントというそのお品は、苺シロップのような液体で、一見マニキュアかと思う。
「これって、…チークじゃなかった?」
「そうだけど、私はリップによく使うわ」
「そうなの!?」
「あら私もよく使うわよ?キュートに発色するもの」
現物を見た時に使いこなせないと思っていたかの品のため、2人の言葉に目を丸くした。

