頭の回転が頗る速い修平さんに、勝てる気はさらさらしないし。
仕事モードの爽やかさより、イジワルな彼が好きで仕方無いのよ…。
程なくして視線を正面へと切り替えた彼は、車をスムーズに発進させた。
「へぇ、、ズルいか・・・
やっぱり今日は、実験しなきゃダメだろ?
研究者は“論より証拠”だしな…――」
「ッ――!」
セーフティドライブとは間逆の妖しく笑みで、止めの言葉を被せられると。
「まーほちゃん?」
横目でチラリと一瞥される私は、ドキドキと鼓動が囃し立てて止まらない…。
「もしかして、家までガマン出来ない…?」
「ッ、ちが…、最近の修平さん・・・
松岡さんみたいにエロすぎなの…!」
甘い声色へ明らかに動揺しながら返せば、またしてもフッと一笑された。
「真帆しか見えてないからだろ…。
恋…いや、“愛は盲目”かな――?」
またしても赤信号で停車すると彼が向き直り、片頬をそっと撫で上げて。
「…ズルい・・・
我慢、出来なくなる…んっ――!」
そのまま顎をクイッと引き上げられて、束の間の甘いキスに酔いしれた…。

