良く言えばフレンドリー、思うがままに言えばマイペース失礼な人、などと考えつつ。
引きずられるようにして彼のスペースへ案内されると、眼前の光景に目を見張った。
「…ジョシュアが担当なの?」
「ね?ヘルプ出来るでしょ」
修平以上となる身長差のため仰ぎ見上げれば、ニッコリ笑った彼に頷き返すだけだ。
これは以前のWEB会議で目玉となった案件であり、私も少なからず係わっていた物。
大神チーフ主体で開発した新素材をもとに、サンプル品の製作進めていたのだけれど。
なかなか設計のようには調合が上手くいかず、日本支社まで会議で話が及んでいた。
そうして本社より送られて来た新素材と図面から、私たちも製作に着手したものの。
結局は各人がバタバタな片手間状態の為、情けなくも本社へとNOと返していたのだ…。
「今回のは難しかったかも」
すると出来上がっているサンプル品を手にし、私の目の前へと差し出してくれた彼。
「うわ、すごい…!
ジョシュア…、コレ測定機で見せて?」
肉眼ではハッキリ構造が見受けられない、その小さな品を喰い入るように眺めれば。
どのような出来具合なのか気になって仕方がなくて、思わず彼に詰め寄ってしまう。
「ハハ!マホは仕事となると積極的だね。
またひとつ、マホのキャラクター・ゲット!」
「…ちがうわよ」
ハハハと軽快に笑った年下くんの発言に悔しさを覚え、強気に出て否定をすると。
「――仕事だけでは、彼女の良さは分からないがな」
知らない間にコチラへ来ていた、愛しい人のワントーンの声が背後で優しく響いた…。