エリートな貴方との軌跡



必要以上に気負いすぎ、何時でも突っ走ってしまう私に優しいストップを掛けて。



さらにモチベーションを上げてくれるから、不安も何もスッと消えてしまうのだ。



そんな修平を支えていく決心だったのに、理想と現実は違っていたりするね・・・



「おはよー、お2人さん」


「お、おはようございます」


「おはよう…で、どうした?」


「俺も一緒に行きたいなー」


翌日の早朝にホテルから出社しようとしたところ、前触れもなく現れた大神さんに驚く。



「邪魔しに来ただけだろ…」


「え、何が?都合良く聞こえない」


「…まぁ、行こうか」


南国ムードたっぷりの外見には耐性が出来たけども、対処が出来ずに苦笑するばかりだ。



2年ばかり一緒に働いてたけど、ソレでも大神の真意は読めなかったな…――


いつかの修平がそう笑って言ったのだから、たった数時間で何も見える筈無いけどね。



「真帆ちゃんさ、ジャケットまで着てて暑くない?」


「あ、ええ…少し、」


「それなら脱いじゃえば?」


「…朝からヘンタイ発言かますな」


ガツンと強烈な発言に困惑の声を出すより早く、淡々としながらキツい口調の修平。



「精力漲(みなぎ)る修ちゃんに言われたくない」


「・・・ハァ…」


アロハな大神さんに呆れる彼とともに、既に混み合うシカゴL(地下鉄)へ乗り込んだ。