立ち止まったらその先へ進む気力を失うから、自分を信じて歩いて行きたいと思う。
修平と出会えたから頑張れたアノ頃をもう一度想い直せる、良いチャンスだものね…。
「うーん、これも美味しい…!
ボリュームあるし、やっぱりアメリカって感じね?」
「それは良かった。ホント美味そうに食べるよな」
あれからお部屋で簡単な荷物整理をして寛いだあと、レストランにやって来た私たち。
クスクスと綺麗に笑う彼を向かいに、私は運ばれてくるお料理に舌鼓を打っていれば。
「…そんなにジーっと見ないで」
メインのステーキをナイフで切って口に運ぼうとした瞬間、その動きをストップする。
「照れてる?」
「…ち、違うもん」
「フッ、真帆見てると飽きないな」
「ッ、修平…!」
そのダークグレイの瞳に囚われると、まだまだ羞恥心が煽られる事が多い気がして。
彼は自分の事を“真帆バカ”と言うけれど、私も負けじと“修平バカ”だと思う…。
「でも、出張なのに良いの?」
「“たまの贅沢、日々の活力”だろ?」
「甘やかしすぎよ」
「甘やかすのが趣味かもな」
明日は早いからと、ホテル内のレストランでフランス料理のお店をチョイスして。
ボルドー産のワインを片手に、2人でお洒落なスタイルで楽しむ今はデートみたい。
決して口数が多く無い彼の、こういった優しいトコロに惹かれたのかな…――

