「何でそんな顔してるのかなー。何か僕に後ろめたいことでもあるの?」

「いえ!!そんなことはありません!!」



私と沖田さんのやりとりを見た山南さんは声を殺して笑っている。



「そうだ。山南さん、近藤さんが呼んでましたよ」

「おや、そうでしたか。では、私はそちらに向かいます。・・・葉月君?」


「はっ・・・はい!」



沖田さんの伝言を受けた山南さんは立ち上がり、私の方を見た。


「今日はありがとうございました。お茶、美味しかったですよ」



山南さんの表情はとても穏やかで、部屋に来たばかりの、殺伐とした目など想像もできなかった。


それが嬉しくて、恐る恐る尋ねた。



「また、来てもいいですか?」



山南さんは少し目を見開いたあと、しっかりとうなずいてくれた。









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「葉月ちゃんさ、山南さんに何かした?」

「?いえ・・・別に何もしてませんけど・・」

「ふーん。・・・」

「どうかしましたか?」

「久しぶり見た」

「え?」

「山南さんがあんな風に笑うとこ」














「ところで、『沖田さんに知られたら』って、どういうこと?」



「・・・・・・・・」