「葉月ちゃん、ここに来てからずっと暗い顔してたから、心配してたのよ?」


「暗い顔、してました・・・?」


「暗いっていうか、元気ないっていうか・・・いつもふとしたとき不安そうな顔してた」



お梅さんはその後に「まぁ、状況が状況なだけに仕方ないんだけどね」と、付け加える。




私、心配かけてたんだ――・・・




「でも、幸親と真之助がいるなら大丈夫みたいね」

「はい。・・・あ」

「どうかしたの?」


お梅さんの言葉に頷いてからハッと気づく。



「・・・私、土方さんから平隊士の方たちとあまり関わるなって言われてました・・」


ここに来て、生活することが決まったときの約束。



《必要以上に隊士と関わるな》



私がそのことを思い出して肩を降ろしていると、お梅さんは声を上げて笑いだした。


「おっ・・お梅さん!?」


「あの二人なら大丈夫だよ。土方はんが心配するようなことにはならないよ、きっと」

「?」

「だから気にしなくていいよ、二人と仲良くしときなよ」

「は、はい・・」



お梅さんはしばらくその笑いを引きずったままだった。



何がおかしかったのか、私にはわからなかったけど、お梅さんが私の心配をしてくれたことが嬉しくて・・・ずっと顔がゆるみっぱなしだった。