「おい、幸親・・・っと、葉月も一緒だったのか」



しばらく話していると道場に向かおうとしていた原田さんがこちらに気づく。




「原田組長は今から稽古ですか?」

「あぁ、久々に刀のほうをやろうかと思ってよ・・・どうだ?幸親。一本やってみるか?」


「えっ?!本当ですか?!!」

「おう。防具持ってこいよ、道場で待ってる」

「はい!!」



幸親君の目指す、十番組組長原田さんからの直々のお誘い。


とても嬉しそうに走り去っていこうとしたその時―――・・


「葉月!!」

「え・・・?」

「また今度、お前の話も聞かせてくれよな!!」




幸親君は大きく手を振って、道場の奥の防具置き場へと走っていった。



「・・・・」

「・・よかったな、葉月」

「原田さん・・・?」



原田さんの大きな手が私の頭にのる。



「幸親、いい奴だろ?」

「はい・・・・」

「仲良くしてやってくれよな」

「はい!」




私達の頭上の空は、青く青く澄んでいた。