「葉月ちゃーん!ちょっと平助を見てやってくんねーかな?!」

洗濯物を干していると、少し焦ったような永倉さんの声がした。


「どうしたんですか?」

「・・・俺があいつに剣術の一つでも教えてやろうと思ったらよー・・足首が赤くなってたんだ。多分、昨日浪士と斬り合った時にひねっちまったみてぇでさ」

永倉さんに連れられ、道場の近くに行くと、原田さんがこっちを見て手を降った。藤堂さんは拗ねたようにむくれて座り込んでいる。

「大丈夫ですか?」

藤堂さんは私の言葉に何も返事をせず、袴の裾をめくった。

「うわ・・・」

「何で俺たちに言わなかったんだよ。相当痛かったろ?」

藤堂さんの足を見た私は思わず顔をしかめ、原田さんはため息をついた。
足は、熱を持っているのが見てわかるくらい腫れていた。
原田さんの言う通り相当痛かったはず。・・・きっと昨日は眠れなかっただろう。

「平助、お前どうせ浪士相手に怪我したって知られたくなかったんだろ」

「うっせーな!新八っさんは黙ってろ!!」

ニヤニヤしながらからかう永倉さんに真っ赤になって怒鳴る藤堂さん。