俺だって、そんなに喋るタイプじゃないことくらい知ってる。
けど、そんなに意外だったとは…
結構ショックだったりする。
「じゃあ用具取りに来てー」
理科の先生がそう言うと、鮎川はダッシュで実験道具を取りに行く。
逃げたな。
「なあヤマト」
鮎川を待っている間、俺はシュートと話していた。
「お前って中学の頃彼女とかいた?」
「え、いない」
「うそだ。嘘はなしだぞ」
「いやリアルに。まじでいなかった」
「うっそ、マジで?意外」
今の「意外」はちょっと嬉しかったりする。
そこで俺は聞き返した。
「シュートは?」
「…1人。」
え、意外。
「なに。どうせ意外~遊んでそうなのにーとか思ってんだろ」
「なんでわかんの」
「顔にもろ書いてあるから」



