それから毎日歌っていた。
風呂の中でも、学校行く時でも、廊下を歩いている時も、授業を聞いている時も、つねに鼻歌はそれだった。
「ヤマトそれ歌いすぎじゃね?」
移動教室。くしくも俺は鮎川と同じ班で実験。
「文句あんのか。」
「まあまあ。オレもその歌好きだよ。いい歌じゃんね!」
「だろ?やっぱりシュートはマトモ。鮎川お前はナルシスト。」
「ナルシストは今関係ないじゃん!」
そんなことを言っていると、前に座っていた女子にクスクスと笑われた。
なに、幼稚だった?
「意外と面白いんだね、面くんって。」
「意外?」
「あ、ごめん。意外って悪い意味じゃなくって」
「別にいいけど…」
「こんな喋る人だと思ってなかった!ってこと」
すると鮎川が口を挟む。
「それっていい意味なの~?」
うぜーな。
俺だってわかってますよ。



