「見て見て!ユカちゃんからチョコ貰ったんだよね~」
翌日、よっぽど嬉しかったのか、鮎川が自分の部屋からサウンドルームに、ユカからの“義理”チョコを持って来た。
「義理チョコぐらいでよく喜びますねえ。というより、義理クッキー?」
そう、ユカが彼らにあげたのは、クッキーだった。
てゆかまだ食べてなかったのかよ、そのクッキー。
「いや、チョコですから。チョコ味ですから!!」
「必死だな」
ケケケとカイジが笑った。
昨日はあんなに人を寄せ付けないオーラを放っていたのに、今日は全く違う。正反対だ。
カイジは、麗奈さんから、貰ったのだろうか。
「カイジはさ~麗奈さんからチョコ貰った~?」
「「……」」
鮎川がこんなにも空気の読めない奴だったなんて。
いや、薄々分かってたんだ、このままの話でいくと、あいつがユカの次に身近な女子、麗奈さんの話をすることを。
俺とハラくんは凍り付いた。
「貰ってない。」
ほらまた、いらないことを言うから、カイジの明るかった顔が少し滲んだ。



