俺は家に帰って、さっそく貰った楽譜を目に通した。
一応楽譜は読める。母親がピアノの先生だから、小学生のとき叩きこまれた。
「ド、ミーレドソラファソ…」
楽譜に一個ずつ音を書いていく。
…じゃないと読めない(笑)。
「あ、この歌ウォークマンに入ってるかも」
俺は通学に使っているリュックからウォークマンを取り出した。
耳にヘッドフォンをし、曲を探す。
「あった」
その曲は別の曲目当てで近所のレンタルショップで借りたCDアルバムの中に入っていたものだった。
久しぶりに聴いてみると、やっぱり格好いい。
「ミミミミーレド、ソラ、ラシ、シド…」
今すぐにでもあいつらと合わせたい。歌いたい。
体の中から、何か熱くなるものがあった。



