「あの…俺、意見して良いですか」
本当にトコトン話を聞かされて、やっと落ち着いた麗奈さんに、俺は言う。
「なに」
「…殴り過ぎじゃないですか?」
言うのを迷ったが、言っちまった。
「…そうだよね、あたし、もう癖になっちゃっててさ」
意外にも、寂しそうに笑う。
…本当に、本当に好きなんだ。
「カイジとずっと一緒に居たくて、入る気なかったココに入学したの。カイジが『市内で唯一軽音部があるからココに行く』って言ってたから」
「なのに、なんでカイジは軽音部に入らなかったんですか」
「…あたしが、バンドやってたから。」
「…は?」
彼女は目を閉じ長い睫毛をのぞかせる。
ゆっくり息をすると話始めた。
「カイジとね、入部したらあたしとバンドを組む約束してたんだ。それまであたしがベースを練習して、ギターとドラム3人でバンドやって。カイジが高校入ってきたら、4人でやろうって。ギターとドラムにも了承得てたんだけど」
「じゃあ、…」
「たまたまベーステクがあたしには到底無理な曲を新歓ライブでやったの。ベースはサポートって形で部活の友達がやってくれてた。それを見たカイジが『オレより上手いのいるんじゃん、良かったな』って。」
話を頭で考えまくって、いっつも勝手に完結するんだよね、カイジって。
そこが嫌いだよ
麗奈さんはそう呟くと黙って店を出た。



