『麗奈さん事件』が起こった次の次の日。
今日は久しぶりに落ち着いて授業を聞いている。
居眠りしないなんて何ヶ月ぶりだろうか。
「面、今日は珍しく起きてんのな、これやってみろ」
数学の授業中、先生に当てられた。
ちゃんと起きてたのに、何だよこの先生。
俺を当てずにすやすやとよだれを垂らしながら深い眠りに入っているシュートにしろよ
そういじけながら席を立ち、計算式を書く。
いやー、わかんね、この式。
「あの、これってこうすよね?」
仕様がなく先生に質問。いや、確認?
「おれに聞くな。自分でやれ」
「……」
しばらく授業なんて聞いてなかったもんだから、文系アタマの俺には何一つわからなかった。
答えを書き席に戻ると、先生は「良い間違いをしてくれた」と言った。
なんだ、間違ってんじゃねーか。
良い間違いも悪い間違いも間違いじゃん。
普通に「違う」って言ってくれればいいのに。
そう頬杖をついた。



