「麗奈さんとカイジって、幼なじみなんですよね」
話題に困り、さっきハラくんに聞いたことを口にした。
「うん。親同士が仲良いの。たぶん幼稚園の頃からの仲」
「へえ。麗奈さん軽音部で何やってるんですか?」
カイジが『先輩に目ェつけられた』先輩というのは、きっと麗奈さんだ。
目なんか付けられてない。というより、彼女はカイジを好いている。「LOVE」じゃなくても「LIKE]ではあると思う。
何故こんなにカイジは彼女を拒否するのだろう。
「あたし?あたしはボーカル。今は男くさい仲一人だけ女子で「George」ってバンドやってる。なんでバンド名ジョージなのって感じだよね、はは」
「俺もボーカルです」
「マジ!!あ、そういや文化祭で体育館ライブしてたね。あたし見たよ。あたし達は部室でライブしたの」
「そうなんですか」
「夢はね、カイジとバンドすることだったんだ。あたしが小学生の頃、パパにギターを買ってもらってね、コードもわかんないのに適当に弾きながら歌ってたの。そしてらカイジ、『オレもやる!!』って言って。リョウジ兄ちゃんがギター、カイジがベースを始めたの」
「へえ…」
麗奈さんの夢、俺が壊しちゃったのかも。
話を聞いていて、そう思った。



