「さすがカイジ!!やっぱベースの申し子は違うな」
「申し子って」
「いや、ほんとに申し子なんだよコイツ。ベース専門雑誌に何度載ったことか」
…まじか!!
俺は目を見張る。
「何度って三回しか載ってねーっつの。それも三年くらい前のことだし」
それでもすげえよ
「あ、そういやハラもドラムの全国大会で優勝してんだっけ」
は、優勝?
「でもジュニアでだから。それも小学生の頃だし」
「お前ら、そんな凄い奴だったの!?」
話に入って行けずにいた俺は彼らよりも、そいつらをバンドに入れた鮎川が恐ろしかった。
どうやって話をつけたんだろうか。
「凄くないって。ただちっこい時から楽器やってただけ。親の影響。な」
「う、うん。小さい時からやってたから」
「へえ…。じゃあめっちゃ上手いんじゃん」
一度もあいつらの演奏聞いたことないんだけど。
「だからヤマト頑張れよ~」
鮎川にそう言われた。
ていうか、一番ヤバイの鮎川だろ。



