「あのさ、皆…皆今一緒?マジ?!」
只今鮎川が電話で交渉中。
奴は俺に『電話して』とか頼んできたけれど、『お前の残ったチケットなんだから自分で聞け』と手を貸さなかった。俺ってなんて仲間思いなやつ☆
「見に来てくれると嬉しいんだけど…。あ、うん。チケット代は1050円」
どきどき。
こんな大事にまでして、これが売れなかったら鮎川はずいぶんと落ち込むぞ。
シュート一味、来てやってくれ…!!
すると、電話の奥から7人のいつものテンションの高い声が聞こえた。
「ぜってー行くわー!!!ヤマトがボーカルなんだろー」
「よ、よかった…。売れなきゃマズかったんだ。ありがと。3日後の夜6時半からだから。あ、そうそう!知ってんだ!マジで?対バンバンドはね…」
完売決定だ。
「よかったな、鮎川」
ポンと肩を叩くと、忙しいのかおっちゃんはスタッフに呼ばれまたどこかへと消えて行った。



