「なんか今隠したぞ」
鮎川の手から無理やり取ったチケット。その数7枚。
「3枚しか売れなかったんじゃねーか」
もう、可哀相過ぎるよ。
「きっとその3枚も中川さんと両親に買ってもらったんだろ」
カイジが少し、同情のような目をして言った。
いくらなんでも、そんな顔して言っちゃいけないだろ、とも思ったけど。
「違う!2枚はそうだけど1枚は中学の友達!」
「「2枚はそうなんだ…」」
「売れなかったら、どうにかして売るしかねえよ。ま、お前なら大丈夫だって」
おっちゃんは鮎川をフォローしたいのか、奈落の底にオトシメタイのか。
「仕方ないよ。オレん家金持ちだからさ、オレのこづかいでまかなう!1万円もあったら余裕だろ」
鮎川はそう言うと、ポケットに入っていた財布から1万円を抜きだした。
まだまだ財布は分厚い。
こいつ、学校でそうとう危険なことしてないか?
「…あ。お前、シュート一味には誘った?」
「怖くて誘ってない…」
シュート一味はシュートを入れて8人。
俺はシュートには誘ってチケットも買ってもらったから、あとの皆に来てもらえれば…
「売れるよ!!完売!!決定!!」



