D U S H ! !




「ね、やっぱりユカちゃん怒ってんじゃないの」

耳元で鮎川が言った。

そんなこと俺でも分かってるよ。


すると俺達の声が聞こえたのか、おっちゃんが休憩室にやって来た。

「今日呼んだのはな、あれだあれ。チケットどれだけ売った?」


そう。今回は対バンだから、「チケットが売れなくてチケット代金自分達が払う…」ってことにはならないらしいが、1人10枚売ってこいとおっちゃんに言われていた。

ライブハウス①のキャパ(収容人数のことだってよ。カイジが言っていた)が約250人。
100人程は他バンドの人気でとれるらしいが、後は友人を呼べと言うことだった。

さすがに10人は友達がいるが、お金を払って俺達のライブに来てくれる人がいるだろうか。

そんなふうに少し心配していたが、俺は丁度10枚売れた。
カイジもハラくんもきっちりと。


問題は鮎川だった。

悲しい悲惨な結果だった。