D U S H ! !




なんとか今日は、おっちゃんの辛口批評も中辛くらいだったね。


DASHEDfc-の帰り際、ユカにそう言われた。
そう、あれはまだ序の口。

「出る気あんのか」から「おれがDASHって名前付けたのに恥ずかしいよ」とまで言われたのだ。


「それとこれ。ライブ出演申込用紙ね。明日か明後日持ってきて。チケットとか使用料とか他のバンドさんとのこととか、詳しいことは川口さんに聞かなきゃいけないし」

「あ、ありがと」

そう言って受け取ると、いつの間にか「リーダーはこのオレなんだから」と鮎川に紙を取られてしまった。ま、いっか。


「あんなこと言うのはね、期待してるからなんだよ、DASHに。」

少しおっちゃんの言葉に傷ついていた俺の背中をポンと押され、いつもとはちょっと違う雰囲気で微笑まれた。

応援してくれてる?


「好き」




え?




今ここに居た誰もがそう思った。俺も思った。


「なに、どうしたんだよ急に…」

戸惑う、俺と鮎川と…ユカ。

カイジとハラくんはなぜか目を合わせて笑っていた。
二人が鮎川の両腕をがっちりつかみ、どこかへ連れて行く。


急にぽつん、と残された二人。