「鮎川、今マコ先生の授業中だから静かに」
そう、今は音楽の授業中。
シュート一味が鮎川に向かって注意をしている。
注意という注意じゃないけど。
「でも今オレ授業に関係のあること言ってるじゃん」
そう。
今日の音楽の授業は恋愛ものの曲の詩を理解するというものだ。
詳しく説明すると、敵国同士の戦争で離れさせられてしまった王女と敵国の王子の、苦しくてせつない思いをのせた曲らしいのだが、なんというか、歌詞が英語で全く文章を理解出来ないのだ。
だから、男達に人気の若くてカワイイマコ先生の授業でも、私語がいっぱい。
「好きってさ、思い返してみるとそうでもなかったり、そうだったりするんだよね」
「なに、鮎川どうしたの」
「いや…。オレの話なら皆聞いてくれるかなって…。無視かよ」
当たり前だ。
鮎川の恋愛観なんか聞くより、ちゃんとマコ先生の話を聞いていたほうが、成績も上がる。



