あなたの隣


「へぇ〜。お前の家、学校から遠いなぁ。大変じゃない?」




車を走らせて30分以上が経った頃に、先生があたしに聞いてきた。



「はい。帰りとか暗いんで…ちょっと怖いですね。」


「お母さんとかに迎えに来てくれないの?」






触れられたくないところを、触れられてしまった。



「…………………………」

「…どーした?」







思い出してしまった。



心にカギをかけて閉まっていたのに…







先生に開けられちゃった。