──…どこかで、聞いたことがある。 運命の恋というものを。 ただ、一目逢っただけでも 好きだと思えるものらしい。 不思議な出逢い──… 王子と姫はそうなんじゃないかって ボクはそんな事をぼんやり考えていた。 ボクは、今日の夜。 王子が寝静まった時に あの姫を殺してしまおう─… ボクはこの手を血で染めて 消えてしまうけれど、 王子が無事ならそれでいい。 ──…それでいいんだ、 食事が終わるとボクは、 姫に呼び出された。